【健瀧ゼミナール 057】日本国家の元主とされる宗教の「神道」とは何であるか?
「神道」という語は何処から来てどうつくられたのか?
神道の原初にある、縄文の自然崇拝は別にして、「神道」の語についての由来を思考してみましょう。
「神道」の語は、中国から伝わった外来語と考えられる。
何故ならば、「神道」の意義と思われる文章は、中国の宗教である「道教」の書物・「易経」に書かれている。
それは霊妙、不可思議な自然の法則と書かれている。 要するに道教の思想である。
その道教の思想が、中国から古文時代から飛鳥時代に日本に伝わり、日本で神道とされたのである。
この「神道」の意義は、神としての権威・力・働きである。
また神道は日本の書物に表れるのは、奈良時代初期に編纂された「日本書記」である。
日本書記には天皇は信(う)けたまひ、神道を尊びたまふ 天皇は仏法を尊び、神道を軽りたまふ 惟神(かむながら)は神道(かみのみち)に随(したが)ふを謂ふ
(孝徳紀文化三年)
とある。
前の二文は「神道」が、仏教を対比して書いてある。
「日本書記」は外国に向けての日本の公的な説得として編纂されたと考えられる。 また「日本」という文字も「日本書記」に初めて表れる。
そこに初見する「神道」という語も、外来の宗教に対抗する意味で使われていたことがよく解るのである。