

【健瀧ゼミナール 033】 茶は中国で生まれ 日本で完成された
天心は、茶の様式の各段階に時代精神の反映を観る歴史観は、『東洋の理想』において、芸術や諸文化の発展階段をたどったとき、その各段階に時代精神の反映をみる発想を披露していますが、天心の歴史観もそれを引き継いだものと言えます。...


【健瀧ゼミナール 032】 茶道は日本で完成された
中国では13世紀にモンゴル族が起こり、それまでに築かれてきた文化が一掃されてしまいます。 その後も15世紀中ごろには難民族の明王期が再興をはかるも、内乱が起こり、17世紀には満州族の侵入により、後期の侵入が始まります。 こうした歴史の中で、風俗や生活習慣も変わり、抹茶も忘れ...


【健瀧ゼミナール 031】 茶の道はこうして生まれた
茶は芸術と同様、その発展を辿ると、いくつかの時期と流派があります。 発展の順から茶を煮たてる団茶、泡立てる抹茶、浸す煎茶と、三段階に分けることができます。 私たち近代人はその内の最後の段階の煎茶の時代であります。 こうした茶の扱い方の違いは、それぞれの時代の精神的特質の違い...


【健瀧ゼミナール 030】 五気で解く、理に合ったお茶の煎れ方
今日は織部焼の茶器で、宇治茶の玉露を淹れてみました。 この織部の宝瓶も湯さましも、茶碗も、私は全国の焼きものを土ものにしろ、石ものにしろ、15セットぐらい持っていますが、本当にこんな優れものは他にはありません。 実はこの宝瓶セットは天皇・皇后の両陛下が使っておられます。...


【健瀧ゼミナール 029】 生の術を説く茶道 その源泉には老荘と禅の思想がある
「美しくも愚かしいこと」に象徴されるように、天心は現世のもろもろの事柄は、つまるところ一抹の夢に過ぎない、むしろ茶のようなもっとも日常的なものの中に真理・悟りがあるのだと考えました。 茶の好みに現れる時代精神は茶の歴史を辿った時、その背景にある老荘思想や道教、禅などの思想も...


【健瀧ゼミナール 028】 茶に学ぶ日本の心
皆さん、お変わりありませんか? 私は相変わらず、あちらこらと、仕事と日本の聖地や文化の探訪をしています。 この度は最初は法隆寺の中に茶室が在ったと言われる待清庵の門の前を通っていると、門の中から「どうぞ」と言う声がかかり、私は誘われるが如くに身を任せ、門の中に入った。...


【健瀧ゼミナール 027】 茶碗に満ちる人の心
茶というと、あの人物を思い出さずにはいられない。また語らずにはおられない。 100年前の明治時代に、エコロジーである自然と共生を説いた先見の書、「茶の本」です。 「茶の本」は、明治時代に活躍した美術運動の指導者、文明思想家の岡倉天心(1862~1913)が、その後半生にアメ...


【健瀧ゼミナール 026】 陰陽五行で解く、「茶の一服」
茶は陰陽五行の一服です。 実に茶というものは、間の中に一服の一時を寛ぎ、和むことを与えてくれるのです。 それを陰陽五行で解けば、水を鉄瓶に入れ、沸かし蒸気が上がります。 この情景を観ても、蒸気として気が生じます。 電気湯沸し器で湯を沸かすのもよろしいですが、鉄瓶で沸かすのも...


【健瀧ゼミナール 025】 生きとし生けるものの祝祭と環
年中行事や、このお盆の送り火も、陰陽五行で説けば、五気の四季循環の火気でつくられる夏であり、その火の気で祖霊を迎える迎え火、またその祖霊を火の気で送る送り火なのです。 当時の日本も、弥生時代から中国の道教の影響はあるとは言え、これも縄文からの人々から現在までの祖霊たちの祈り...


【健瀧ゼミナール 024】 お盆についての大事なゼミナール
お盆というのは、古来からの日本の祖霊信仰に、中国の道教の思想が統合して、つくられた日本の年中行事です。 日本に伝来した仏教はインドで釈迦の悟りにより、発祥しました。 そして中国、朝鮮半島を通って伝来しました。その間に純粋な原始仏教(悟り・解脱)の思想は翻訳においても、道教的...